2021年4月23日(金)東洋医学の疾病観⑲
今回からは病理と病証のうち「八綱病証」について
お話していきます
● 八綱病証(はっこうびょうしょう)●
八綱とは病位・病情(病性)・病勢を
陰陽概念により表裏・寒熱・虚実に統括した病証である
八綱病証とは四診によって得られた症状などを総合的に分析し
① 病変部位
② 性質
③ 疾病過程
上記における正気と邪気の力関係などの状況を
帰納・説明するものである
八綱病証は疾病のもつ共通性を分析するための方法であり
とりわけ鍼灸治療においては虚実補瀉法(きょじつほしゃほう)
の決定に重要な意義を持っている
① 病位の深浅(病位)・・・表症・裏証
② 疾病の性質(病状)・・・寒証・熱証
③ 正邪の盛衰(病勢)・・・虚証・実証
陰陽は八綱を統括する総綱である
< 陽 >
表・熱・実
< 陰 >
裏・寒・虚
< 病位の違いでとらえる >
東洋医学では、外邪が体表部から体内へと侵襲した際
その位置する所によって病態が異なるとみる
病位の違いにより表証・裏証・半表半裏証に分類される
① 表
表位とは身体のもっとも浅い部位の射であり
皮膚や皮下表層の組織群
また四肢・頭部・肩背部を指し
この部位に病が存在するときを表証という
多くは外感病の初期に現れる
(代表的な症候)
● 悪寒
● 発熱
● 頭痛
● 腰背痛
● 四肢関節痛
● 脈浮
● 項強
※ 項強(こうきょう)とは、握りこぶしを作った時に
人差し指と中指の間にできる関節の山の間を指す
続)