スマイル治療院の ブログ

2018年11月26日(月)足首の痛み⑥足根洞症候群

今回は(足根洞症候群)の最終回です

前回の内容に引き続き、症状からお伝えしていきます



< 症状 >


① 痛みの出方

外くるぶしよりやや前下方に痛みが出る

        ↓

段々外くるぶし周り全体~後面と痛みの範囲がひろがっていく

        ↓

症状が悪化してくると腓骨筋(膝下外側)がはる


② 普段強い痛みがなくとも押すと圧痛が出現する

③ 砂利道や坂道など不安定な地面を歩くと痛みが増幅する

④ 足首がグラグラ不安定な感じがある

⑤ 足首にいつも違和感がある

⑥ 何度も捻挫を繰り返す


(着地でグニャッとする足)

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< 診断 >

 

既往歴・痛みの出る箇所などを確認しながら 

足根洞への局所麻酔薬を注射し

痛みが消失する

腓骨筋群の活動が改善される

③ 距骨下関節造影において異常が消失する

などの判断をもって(足根洞症候群)かどうか判断する



< 治療方法 >

基本的には手術をしない保存療法が一般的です


① インソールの使用

自分の足に合ったインソールを作成するのが望ましい

インソールによりバランスの良い体重移動をする事で

歩行時の足根洞への負荷を減少させる

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② アンクルバンドの使用

足首に不安定感を感じる事が多い為

薄いゴムタイプではなく、しっかりとした素材のバンドを

装着する事で安定感を出し、捻挫を予防します

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③ 腓骨筋のトレーニング

腓骨筋群の動きが悪くなっている為、筋力を鍛えていきます

腓骨筋群には、足関節を外反・底屈させる作用がある為

捻挫を再発させない為に絶対に必要な筋肉!

しかし鍛えるとはいってもジム等に行かなくても

腓骨筋群は家で鍛える事が出来ます


< 腓骨筋の鍛え方 >


● 立って行うトレーニング

① 適度はテーブルや手すりにつかまる

② 左右の足の親指同志を近づけて、足をハの字にしてつま先で立ちます

③ 足の親指の付け根に体重をかけて10秒キープする

④ 10秒キープを1回とし、1日10回繰り返す


● 座って行うトレーニング

① 左右の足に幅の広めなバンドを巻く

② 左右の足の親指が離れる様に足をハの字の方向へ引っ張り合う

③ 限界まで負荷をかけたら2秒キープを1日10回繰り返す


(腓骨筋の場所)

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※トレーニングは痛みを感じた時にはすぐにやめ

 無理のない範囲で行いましょう

2018年11月16日(金)足首の痛み⑤足根洞症候群

前回までは、足根管症候群についてお話しました

今回は(足根洞症候群)についてお伝えしていきます



● 足根洞症候群 ●

外くるぶしの前下方に炎症や痛みが出る疾患



< 足根洞ってどこ?>


足のかかと部分である(踵骨)

足首前面にある(距骨)との間に溝があり

溝こそが(足根洞)と呼ばれる場所

その小さな(足根洞)の中には、足にとって重要な物が通っています

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< 足根洞を通るもの>


① 骨間距踵靱帯靭帯

距骨と踵骨をつなぎとめ、足首の安定感を保つ役割


② 神経終末

● 細かい神経が集約されており

  地面から足底への刺激・感覚を感受し

  脳に伝える働きをしている

● 人間の身体は、外からの刺激や感覚を受けると

  その情報によって次にすべき行動を瞬時に脳から

  適所の場所に指令として出す構造

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< 発生機序 >


① 足関節の骨折や捻挫に伴い

  骨間距踵靱帯靭帯に損傷があり、靭帯や軟部組織が伸びたり

  一部切れたりすると同時に(足根洞)も傷ついてしまう

           ↓

② (足根洞)が傷つくと(足根洞内)の神経終末の構造も損なわれ

  本来持っている足から脳へ伝わる感覚が鈍くなり

  脳から送り出される次の指令が遅れてしまう為に

  本来怪我を避ける為、瞬時に動かすべき

  筋肉の反応が遅れはじめる

           ↓

③ すぐに対処をすれば、大事にならずにすみますが

  固定を中途半端に終わらせてしまったり

  足根洞の損傷が強かった為に神経終末へのダメージが長引いた場合

  慢性的に足から脳へ・脳から足への伝達機能が段々と遅れ始める

  すると再度捻挫を誘発する、という悪循環がうまれる

           ↓

④ つまり捻挫を何度も繰り返していたり

  しっかり完治させなかった場合

  (足根洞)に慢性的なストレスを与える事になり

  捻挫自体が回復してきても(足根洞)に炎症・痛みが出現する

  足根洞症候群は、捻挫の後遺症の様なものなのです

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※ 人間は足首を捻って転倒する時には

  外側にはひねる事は、まず有りません

  ほぼ内側に捻って怪我をします

  内返し捻挫の際に損傷が起きやすい(前距腓靭帯)

  (足根洞)のすぐ近くにある為

  実はストレスが集中しやすい箇所なのです


続)

2018年11月9日(金)足首の痛み④足根管症候群

前回、足根管症候群の症状や原因についてお話しました

今回はその続きをお伝えしていきます



< 診断方法 >


① チネル徴候検査

内圧が高くなっている脛骨神経部分を指や打腱器で

軽く叩くと足底や指先へ放散痛が出現した場合

陽性となる


② 知覚検査

筆などを使用し、足底や足趾に感覚・知覚異常が無いか

左右で感じ方に違いがないか、を確認


※ 足根管症候群は、外観からは異変が分かりにくく

  レントゲン写真などでも異常は出ません

  ですので上記の様な徒手検査をして診断していきます


(打腱器)

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< 治療方法 >


① 保存療法

基本的には手術等をしない保存治療がほとんどです


● 発生原因が明確な場合


骨折ガングリオンが原因の場合は

まずは切除や固定等の治療をしっかり行い

リハビリをしながら予後をみていきます

静脈瘤などは、大腿後面~ふくらはぎに症状が出る事が多いので

足首とは関係無い様に思えますが

実は足根管症候群の原因となっている場合も有りますので

きちんと弾性ストッキングをはくなど、治療につとめましょう



● 特発性ではっきりとした原因が無い場合


絞扼性障害である事から

足根管の内圧を下げる為にマッサージや電気などで

足根管周囲の筋肉の緊張をとり

足根骨同士の関節を緩めていきます

足首は筋肉の薄い箇所になりますので、やり方には注意が必要です

専門家に指導をあおぎましょう


(足根管症候群の電気治療一例)

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② 薬物療法

● 痛み止め

● 非ステロイド系抗炎症薬

● ビタミン剤 など



< 予防 >


原因が明確でない場合が多いので 

普段から足がはりやすい・むくみやすい方は

予防が大切です

入浴後、足首を曲げたり伸ばしたりのストレッチ

偏平足にならない様、自分の足に合う靴選び

足底筋のトレーニングをしておきましょう


(足首のストレッチ)

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又歩き方によっても足首への負担は大きく変わっていきます

スマイル治療院では正しい歩き方講座も行っておりますので

ご興味がある方は、ぜひお問い合わせ下さい




2018年11月2日(金)足首の痛み③足根管症候群

今回は足首の原因(2)である足根管症候群についてお話していきます



● 足根管症候群 ●


< 成因 >

① 足にはかかとを形成する踵骨を中心に

  

  7つの足根骨によって形成されている

           ↓

② 足根骨は大きさが異なる事から、その空間を支える様に

  脛骨の内側から、踵骨の内側に靱帯が張られている

  この靱帯の事を(屈筋支帯)と呼ぶ

           ↓

③ 足根骨と屈筋支帯の間に出来たトンネルこそが

 (足根管)である

  トンネルの中には幾つもの神経・血管が通っている


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(足根幹を通る神経・血管)

① 脛骨神経

(支配筋肉)

● 大腿二頭筋

● 腓腹筋

● ヒラメ筋

● 足底筋

● 膝窩筋

● 後脛骨筋

● 長趾屈筋

● 長母指屈筋

※ 上記の様に、脛骨神経が支配している筋肉は多く

特に足先を底屈(つま先を下げる)の動き

足趾の屈曲作用を持つ筋肉が多い為

足の可動にとって重要な働きを持つ神経なのです


② 長母趾屈筋腱

③ 長趾屈筋腱

④ 後脛骨筋腱

⑤ 後脛骨動脈

⑥ 後脛骨静脈



           ↓

以上の様に、狭いトンネルの中を沢山の

神経・動脈・静脈が一緒に走行している為

何らかの原因で足根管内圧が高くなると

脛骨神経が圧迫されて、末梢の脛骨神経支配領域の障害が発生する事を

(足根管症候群)と呼びます



< 症状 >


① 足底の痛み

② 足首を動かすと痛い

③ お風呂に入ると足裏がジンジンする

④ 部分的に熱感・冷感を伴う痺れ

⑤ 平地でも砂利道を歩いている様な違和感

⑥ 足底を押すと特に痛い部分がある

⑦ 足の親指が上手く動かせなくなる

⑧ 足底にいつも異物が付いている違和感

⇒ 当院の患者様でも

 「いつも足の裏に10円玉がついているみたいだ」

  おっしゃっていた方がいらっしゃいました

  安静時痛や、症状が酷い場合にはやけつくような

  強い痛みを感じる方もいらっしゃいます

  又夜間や就眠時に症状が悪化する傾向が高く

  不眠や早朝覚醒などの原因となる場合もあります

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< 原因 >

原因のほとんどは(特発性)と呼ばれ

発生機序がはっきりしていないものが多い


<発生機序が明確な場合の原因>

● 事故による強い衝撃・圧迫

● 足首の骨折・捻挫

● 深い切創(切り傷)

● 静脈瘤

● ガングリオン

● 腱鞘炎

続)

記事履歴

2018年11月26日(月)足首の痛み⑥足根洞症候群

2018年11月16日(金)足首の痛み⑤足根洞症候群

2018年11月9日(金)足首の痛み④足根管症候群

2018年11月2日(金)足首の痛み③足根管症候群

2018年10月27日(土)足首の痛み②変形性足関節症

2018年10月19日(金)足首の痛み①

2018年10月12日(金)神楽坂ドラマ はじまります

2018年10月6日(土)HPからFacebook見れるようになりました!

2018年9月28日(金)寝違え③

2018年9月21日(金)寝違え②

2018年9月15日(土)寝違え①

2018年9月7日(金)肉離れ④(ハムストリングス)

2018年8月31日(金)肉離れ③(大腿四頭筋)

2018年8月25日(土)肉離れ②(大腿四頭筋)

2018年8月17日(金)肉離れ①(大腿四頭筋)

2018年8月10日(金)エアコンによる夏風邪②

2018年8月3日(金)エアコンによる夏風邪①

2018年7月27日(金)夏季診療のお知らせ

2018年7月20日(金)膀胱炎②(おまけ付き)