スマイル治療院の ブログ

2019年6月29日(土)脳血管障害⑥

前回「脳出血」の続きです


< 症状 >


(1) 意識障害

物事を正しく理解する

周囲の刺激に対する適切な反応が損なわれる

その中でも2種類の意識障害が有ります

        ↓

● 意識混濁(いしきこんだく)

症状は①が最も重く、下にいくにつれ軽度になる

① 昏睡(こんすい) 

② 嗜眠(しみん)

③ 傾眠(けいみん)

④ 昏蒙(こんもう)

⑤ 明識困難(めいしきこんなん)


程度については「ジャパンコーマスケール」という

方式を使って判別を明確にしていきます

ジャパンコーマスケール(略してJCS)とは日本で使用されている

覚醒の程度によって分類されたレベル

医学の世界においても共通で

数値が高くなるほど意識障害が重い状態を表しています

万が一身近な人が倒れてしまった場合

救急車を呼ぶにしても、状態を聞かれた時に

「呼びかけても分からないんですけど…」

「叩いたら意識ありそうだけど…」

など、いざとなったら説明も良く分からなくなってしまう

ケースが意外と多いです

そんな時、このJCSが頭にちょっと入ってるだけで

スムーズに正確な情報が伝えられて、治療判断の指針になります

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< ジャパンコーマスケール >


(Ⅰ)覚醒している(1桁の点数で表現)


0  意識清明

1  見当識は保たれているが意識清明ではない

2  見当識障害がある

3  自分の名前・生年月日が言えない



(Ⅱ)刺激に応じて一時的に覚醒する(2桁の点数で表現)


10  普通の呼びかけで開眼する

20  大声で呼びかけたり、強く揺するなどで開眼する

30  痛み刺激を加えつつ、呼びかけを続けると辛うじて開眼する



(Ⅲ)刺激しても覚醒しない(3桁の点数で表現)


100  痛みに対して払いのけるなどの動作をする

200  痛み刺激で手足を動かしたり、顔をしかめたりする

300  痛み刺激に対し全く反応しない



「現在ジャパンコーマスケールのレベル20です」等と

伝えると分かりやすいです

※ オマケですが、今はジャパンコーマスケールがプリント

されているTシャツなども販売されています

同疾患の既往歴がある場合などは、こういった服を

家着といて着ておくのも便利かもしれません(笑)

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続)

2019年6月22日(土)脳血管障害⑤

前回は脳血管障害の中でも虚血性疾患についてお話しました

今回はその逆である「出血性疾患」について

お伝えしていきたいと思います

脳が原因で倒れた!という場合

全部ごちゃまぜになってしまいがちですが

実は原因はシッカリ分かれています



● 脳出血 ●


脳出血とは脳内の細い血管が何らかの原因で突然敗れ

脳のなか(大脳・小脳および脳幹の脳実質内)に出血した状態

血腫が大きくなると脳浮腫によって頭蓋内圧が高くなって

脳ヘルニアをおこし、重症化すると脳幹部が圧迫されて

死にいたる可能性もある

脳出血は出血性の脳卒中のひとつです



< 出血の起きやすい部位 >


① 被殻出血 (40%)

  被殻(内包基底核)付近に頻発

② 視床出血 (30%)

③ 橋 (10%)

④ 小脳 (10%)

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< 特徴 > 


● 日中活動時に急激に頭痛・意識障害を呈する

● 脳血栓より急遽

● 脳塞栓より緩徐

● 共同偏視・片麻痺(局所神経症状)が数時間で完成

● 頭部CTによる検査では出血部位が高吸収域として白く写る

※ 共同偏視とは → 両眼が水平あるいは一方方向へ持続的に偏位している状態


※ 原因による黒目の偏位方向

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< 原因 >


① 基礎的疾患を持ち合わせている

● 動脈硬化

● 高血圧

● 糖尿病

● 血液透析

● 生まれつき脳血管に形成異常(脳動静脈奇形)


② 血圧が大きく変化した瞬間に発生しやすい

● 起床時

● 入浴時

● 急激な気温の変化

● 急に立ち上がる

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続)

2019年6月15日(土)脳血管障害④

今回は「脳血栓」の(3)番目である心原性脳塞栓症に

ついてお話していきます



(3)心原性脳塞栓症


心臓内にできた血栓がはがれて脳動脈に流れ込み

血管を詰まらせる梗塞

原因のほとんどは「心房細動」によるものです

「心房細動」とは本来人間の心臓は自分の意思とは関係なく

一定の規則的リズムで動いていますが

その心房が規則的に収縮せずに震える状態を差します

震えて不規則な電気活動を起こす事を「不整脈」と呼びます

心房細動をおこすと肺から戻ってきた血液が左心房の中で

よどんで血栓が出来やすくなり、その血栓が脳に運ばれていくのです

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< 特徴 >


● 脳梗塞の中で最も大きい梗塞が出来る

● 前もって兆候がなく突然発症する事が事が多い

● 発症すると重症化しやすく後遺症が残りやすい

  場合によっては意識不明や死亡にいたる事もある

● 別名(ノックアウト型脳梗塞)とも呼ばれている

● 以下の疾患を持ち合わせている方に起こりやすい

       ↓

 

① リウマチ性心臓弁膜症

② 非弁膜性心房細動(NVAF)

③ 急性心筋梗塞

④ 拡張型心筋症

⑤ 卵円孔開存


しかしながら上記の疾患を抱えていない人でも

起こりうる可能性は有りますので、元々高血圧などの

器質がある方は注意しましょう



< 症状 >


基本的に症状は他の脳梗塞とほとんど同じです

日常生活の中で手足などに麻痺あらわれた場合は

片手だけなのか両手なのか?

左半身なのか右半身なのか?

手だけか足だけか?

しっかり把握してみる事がオススメです


沢山歩いた翌日に片足だけ感覚がおかしい

寒い場所で冷やし過ぎて手の感覚が無いなどは

腰をはじめ他に原因がある場合も有りますが

痺れや麻痺が突然で原因が見当たらない場合には

すぐに病院で相談しましょう

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2019年6月8日(土)脳血管疾患③

前回は「脳血栓」が3つの種類に分かれ

その中でも(1)アテローム血栓性脳梗塞についてお話しました

今回はその続きで(2)ラクナ梗塞についてお伝えしていきます



(2)ラクナ梗塞


脳深部の極めて細い血管がつまって起こる

アテローム梗塞は脳の太い血管が詰まって発生しますが

ラクナ梗塞はそれよりももっと末端

脳に酸素や栄養を送り届ける役割をしている

枝分かれした細い血管に発生する限局性虚血性病変


ラクナとは(小さなくぼみ)という意味で

脳細胞が壊死しておこる梗塞を「ラクナ梗塞」と呼びます

小さな梗塞が同時に幾つか出来る事も多く

余り症状の出ない微小梗塞が多発する場合も多い



< 特徴 >


① 最も多い脳梗塞

脳梗塞の半数近く占め、日本人では最も多いタイプです


大きさが小さい

小さなものでは3~4mm

大きなもので15~20mm


 夜間や早朝に発生しやすい

朝起きてみたら、手足がしびれたり力が入らない

※ 起床時に手に力が入りにくくなる疾患は

  脳以外にもいくつかありますので判別に注意

言葉が出にくくなる等の症状が出るケースが多い


 高齢者に多い

加齢によっておきやすい梗塞ですが

高齢者の場合は健康な方でも無症状で

影響のない微小な梗塞を持ち合わせている場合も多いです

この場合は、そのままにしておいても

大丈夫な場合も有りますので、まずはお近くの

医師に相談してみましょう

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記事履歴

2019年6月29日(土)脳血管障害⑥

2019年6月22日(土)脳血管障害⑤

2019年6月15日(土)脳血管障害④

2019年6月8日(土)脳血管疾患③

2019年6月1日(土)5周年のご挨拶

2019年5月25日(土)脳血管疾患②

2019年5月18日(土)脳血管疾患①

2019年5月11日(土)ギフトカードはじめました!

2019年5月1日(水)令和元日

2019年4月27日(土)足の痛み㉑外反母趾

2019年4月20日(土)足の痛み⑳外反母趾1

2019年4月13日(土)GW診療のお知らせ

2019年4月6日(土)足の痛み⑲骨端症2

2019年3月30日(土)足の痛み⑱骨端症

2019年3月23日(土)足の痛み⑰モートン病

2019年3月16日(土)足の痛み⑯踵骨棘

2019年3月9日(土)新しいお灸入荷しました!

2019年3月2日(土)足の痛み⑮アキレス腱滑液包炎

2019年2月23日(土)足の痛み⑭アキレス腱滑液包炎