2018年1月27日(土)鵞足炎(がそくえん)①
近年増えている膝の痛み
その中でもスポーツをする方に多い「鵞足炎」について今回はお話していきます
<鵞足炎>
膝下内側部に痛みが生じる状態
下肢を構成する筋肉の中で「半腱様筋」「薄筋」「縫工筋」という筋肉の腱は
膝下の脛骨粗面内側部に付着しており
この3つの腱を総称して「鵞足」(がそく)と呼びます
この「鵞足」に炎症が起きて痛みが生じる状態が「鵞足炎」です
ちなみに3つの腱を合わせるとガチョウの足の様に見える事からこの名前がつきました
まずは「鵞足」を構成する筋肉についてご説明します
● 縫工筋 ●
(起始)上前腸骨棘
(停止)脛骨粗面内側部
(支配)大腿神経
(作用)大腿の屈曲・外転・外旋
下腿の屈曲・内旋
※ 太ももを上げる、脚を横に挙げる、足先を外側に向ける、膝を曲げる等の動き
● 薄筋 ●
(起始)恥骨下枝前面
(停止)脛骨粗面内側部
(支配)閉鎖神経
(作用)股関節の内転
膝関節における下腿の屈曲と内旋
※ 脚を閉じる、膝を曲げる動き
● 半腱様筋 ●
(起始)坐骨結節
(停止)脛骨粗面内側部
(支配)脛骨神経(坐骨神経)
(作用)股関節の伸展
膝関節における下腿の屈曲と内旋
※ 脚を後ろに挙げる、膝を曲げる等の動き
<症状>
① 膝内側に痛みがある
② 膝を大きく屈曲すると痛い
③ スポーツをした後に痛い
④ 膝関節の可動域には大きな問題が無い
⑤ 膝関節全体の腫れ・発赤はほとんど無い
<特徴>
鵞足は本来膝を安定させる役割をも持っており
鵞足部への摩擦による負荷が強くなると発生する
鵞足を構成する筋肉が股関節の屈曲や伸展に関係する事から
ランニングやダッシュ動作が多いスポーツをする方に起こりやすい
しかし単にオーバーユーズによるものだけでなく、ガングリオンや外骨腫が原因となる場合もあるので注意する
又外旋や内旋作用もある事から走り方のクセ、骨盤や膝などの歪みも原因として考えられる
続)